ホタルの一生
ゲンジボタル(記録映画*)より)
幼虫(記録映画*)より)
成虫となったゲンジホタルのメスは、水辺の湿ったところに卵を産み付けます。 その数は凡そ500から1000個になります。
◆ふ化(7月)
産み落とされた卵は、およそ1ヶ月でふ化します。ふ化したらすぐに水中に入ります。
◆幼虫(8月〜翌4月)
幼虫は水の中で約9ヶ月間過ごします。小さな幼虫はカワニナの小さな稚貝を食べて大きくなっていきます。 そして、大きくなるにつれて狙うカワニナも大きくなっていきます。
カワニナを食べるゲンジボタルの幼虫(記録映画*)より)
さなぎ(記録映画*)より)
さなぎ(記録映画*)より)
5月から6月の梅雨時、幼虫はさなぎになるために川から上がってきます。そして湿った軟らかい土に上手くたどり着くと 土にもぐり「土のう」を作ってさなぎになるのです。
しかし、育てる会発足当時の30年ほど前には、そうした幼虫が道路にまで上がってきてしまったといいます。 新聞記事にもなりました。
こうして無事成虫となったゲンジボタルが放つ光りの点滅ピッチは、西日本の方が早いと言われています。 まだまだ謎の多いホタルです。
◆成虫(6月)
さなぎになってから1ヶ月ほどして、土の中で羽化します。 そして数日後、土の中から這い出て飛び立つのです。 その後の寿命は10日とも2週間とも言われています。
脱皮を繰り返すさなぎ(記録映画*)より) |
土から出てくる成虫(記録映画*)より) |
道路にまで上がってきてしまうゲンジボタルの幼虫(記録映画*)より)
ホタルの繁殖の鍵を握るカワニナ
カワニナは東アジアの淡水域に棲む細長い巻貝で、全国各地で見ることができます。 その種類は10数種類といわれていますが、琵琶湖ではその大半が生息しています。 水槽で飼育していると、年中稚貝を生むようですが、春から初夏にかけて生まれた稚貝が 最もたくましく成長するようです。 餌はカボチャ、キャベツ、ニンジン、キュウリなど何でも食べるようですが、研修で恵那に出掛けた折、 「ほうば」の葉が良いと教わりました。水槽では、水が濁りにくいことからワカメを入れています。
カワニナへの餌やり/キャベツの葉に群がるカワニナ(記録映画*)より)
*)記録映画
昭和54年(1979)に発足した「大安寺川ほたるを育てる会」が、これまでの活動やホタルの生育の記録を収録した 昭和60年(1985)の作品。